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スーパーマーケットの経営環境と課題 2026

企業、取り分け小売業は、経営を取り巻く環境に絶えず適応する必要があります。経営環境の変化を的確に捉え、経営環境がもたらす経営課題に迅速に対応して行くことが必要です。


アスピランツは、スーパーマーケット経営に影響を与える環境要素として、経済消費者競合雇用及びテクノロジーの五つを挙げています。
 

また、スーパーマーケット経営における課題を、マネジメントマーチャンダイジングマーケティングローコストオペレーション 及び サステナビリティの五つの側面から捉えています。 
 

このように、アスピランツは、個別システム化要請への対応のみならず、コンサルティングからシステム導入に至るワンストップサービスを通して、全体最適を図るしくみとしてのソリューションを提供しています。

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​環境

経済 資材高騰 / 2024年問題 / サプライチェーン

経済については、資材高騰2024年問題及びサプライチェーンを挙げています。


原油価格の高騰と円相場の下落などを要因とする光熱費の高騰は、業績に大きな影響を与えています。加えて、原材料、輸送、容器などあらゆる原価構成費目で価格が跳ね上がっています。また、働き方改革、最低賃金の上昇、人手不足によって人件費による営業利益への圧迫は深刻な事態となっています。消費者を相手とする小売業、殊にスーパーマーケットにとっては、安易に価格転嫁を進めることはできませんが、商品調達の見直しやICTによる業務の効率化と共に、価値に見合った価格の設定を考えていかなければなりません。

 

トラックドライバーの働き方をめぐる現状の問題点は、長時間運転、荷待ち時間及び荷役作業が挙げられています。とりわけ加工食品物流においては、短いリードタイム、長時間待機、附帯作業、厳格な日付管理、非効率且つ非合理な悪しき商慣行、小ロット・多品種・多頻度納品が指摘されています。働き方改革環境下で求められる物流を確保するためには、これらの問題を解消していかなければなりません。これらに向けて個別企業は勿論、業界、更に業界を超えた製・配・販((製造業、卸売業、小売業)一体となった取り組みが求められます。2024年問題の対応は勿論、物流の効率化に向け官民一体となった取り組みとして、物流データプラットフォーム(Data Platform Construction)協議会による、データの標準化やプラットフォーム構築の取り組みが進められています。


自然環境の変化に依る資源枯渇ばかりではなく、世界各地で勃発する戦争、パンデミック、国際法違反国に対する経済制裁などによって、小売業にとってサプライチェーンは極めて不安定なものとなっています。政府も経済対策の危機管理投資のひとつとして、食料安全保障の確立を挙げています。安定的な商品供給を確保するためには、サプライチェーンとサプライヤーの実態把握はもとより、サプライヤーの分散、更には垂直統合に依る供給の確保などによってリスクの分散、低減化が図られなければなりません。また、本来サプライチェーンとは商品が開発されてから消費者に届くまでのプロセス全体を指すものですが、一般的には小売業の店舗に届くまでに限定されています。配送ラストワンマイルの課題、家庭の冷蔵庫までをも対象とするIoTの普及などによって、今後は本来の意味通り消費者までのプロセスを対象と捉えていく必要があるでしょう。

環境

消費者 節約志向 / ディジタル活用 / 時短重視

消費者については、節約志向ディジタル活用時短重視を挙げています。


消費者物価指数は、2021年から2025年の5年間連続プラスとなっています。一方、賃金は物価上昇に追いついておらず、生活が苦しくなったという消費者は半数に及んでいます。消費者の節約行動は、外食の回避、買物回数の減少、ディスカウント商品の利用などに現れています。消費者の価格への敏感さは一段と強まっており、低価格PBや特売品の選択率が上昇し、複数店舗を使い分ける“スマートショッピング”が一般化しています。また、値段だけではなく量、ポイント還元など総合的にコストパフォーマンスを判断する人が増えています。

我が国の携帯電話の普及率は95%前後で推移しています。そして、2025年には携帯電話所有者の98%がスマートフォンを所有しています。消費者にとって、ディジタル活用は最早当たり前になっており、チラシアプリ、価格比較アプリ、ポイントアプリなどを駆使して買い物を最適化する層が拡大しています。また、ネットスーパーやクリック&コレクト(注文して店舗で受取)など、オンラインとオフラインを組み合わせた購買行動が浸透しています。この様に、消費者はディジタル情報を前提に行動するため、店舗側の情報発信が購買に大きく影響します。消費者対応としてのディジタル化は、これまで高齢者を配慮しなければならない為、アナログとの併用が求められてきました。然し乍ら、 2025年にはすべての団塊世代が75歳を迎えました。ディジタル・ネイティブとは比較にはなりませんが、後期高齢者はディジタルに対応できないという定説はそろそろ見直していく必要があるのではないでしょうか。


厚生労働省によると、働く夫と専業主婦の世帯は減少し続けていますが、共働き世帯は増加中で、2024年時点で既に夫婦のいる世帯全体の70%を超えています。昨今コストパフォーマンスを意味する「コスパ」に対して、「タイパ」(タイムパフォーマンス)がキーワードとなっており、食の時短、即ち調理時間の短縮化あるいは調理時間ほぼゼロ、が求められています。また、単に時間の節約からだけではなく、料理をするのが面倒くさい、後片づけが煩わしいといった理由からも、ミールキット、半調理済総菜、惣菜、イートイン、グローサラントなど多様な選択肢の提供が求められます。

環境

競合 小型店 / ドラッグストア / 業態革新

競合については、小型店ドラッグストア及び業態革新を挙げています。


スーパーマーケットとの比較において、これまで小型店と言えば、コンビニエンスストアでした。スーパーマーケットとコンビニエンスストアの中間に位置する規模の住宅近隣型小型スーパーマーケットは、既に2010年代から出現していましたが、ここ数年俄かに活発化しています。イオングループの「まいばすけっと」が先行していましたが、近年展開を開始したIYグループの「SIPストア」、トライアルの「トライアルGO」が注目されています。立地は都市部の住宅街・駅近、売場面積は概ね 500㎡未満、惣菜や生鮮を扱うが店内調理は限定的、というのがその特徴です。尚、アークスの「Da*マルシェ」は、都市型ではありませんが、既に2010年代から展開されています。主な小型店展開がスーパーマーケット企業によって為されていることから、コンビニエンスストアとの住み分けから本格的な競争に入ったことが窺えます。


昨今のドラッグストアは、スーパーマーケット業態の主力商品である食品へのラインロビングを展開しており、グロサリーに留まらず、既に総菜、生鮮食品へも進出している企業も見受けられます。その方向性は、調剤、日用品、食品の生活インフラの構築にあるものと言えます。スーパーマーケット企業として、業態間競争を優位に展開する為には、生鮮食品・総菜の強化、価格競争力の優位性、そしてサービスの拡充が求められます。生鮮食品・総菜の充実はスーパーマーケット業態の生命線であり、他業態に対する有力な武器です。また、サービスの拡充は、他業態対抗として図られる必要があり、総菜の店内最終調理、宅配サービス、グローサラントなどが挙げられます。


ここ数年、 ベルクの「クルベ」、カスミの「ブランデ」、マミーマートの「生鮮市場TOP!」などを始め既存スーパーマーケット企業による業態革新としての新たなブランドが展開されています。これらは、EDLP(Everyday Low Price)を徹底的に実現するもの、時短に対応する惣菜に対して敢えて料理の楽しさに向き合うもの、あるいは鮮度を追求した生鮮食品に特化するものなどさまざまです。いずれも、既存のスーパーマーケット業態からターゲットを絞り込んだ試みであり、他業態との競合より寧ろ手強いスーパーマーケット業態内の競合ではないでしょうか。

環境

雇用 人手不足 / 賃金高騰 / 働き方改革

雇用については、人手不足賃金高騰及び働き方改革を挙げています。


15~64歳までの生産年齢人口は、2020年の7,509万人に対し2026年には7,274万人、2030年には7,076万人になると予測されています。2025年スーパーマーケット年次統計調査では、96.4%のスーパーマーケット企業が人手不足を訴えています。人手不足の背景としては、真っ先に少子高齢化による絶対的生産年齢人口の減少が挙げられますが、そればかりではなく、厚生年金、所得税などの優遇制度を適用する為の3号被保険者(サラリーマン世帯の被扶養配偶者)、パートタイマーの自主的就業時間抑制が指摘されています。


人件費の高騰は、パートタイマーに適用される最低賃金の上昇、更に働き方改革の規制によって、避けられないものとなってきています。2025年度 最低賃金の全国加重平均額は、1,121円です。これまで、スーパーマーケットにおいては、正規社員と比べて低賃金であるパートタイマーの採用によって、総人件費を抑制してきた側面があります。しかしながら、パートタイマー比率は、既に飽和状態にあり、パートタイマー化による今以上の人件費の低減を図ることはできません。また、正規社員においても賃上げ促進税制に示されているように政府主導で賃上げが求められており、抜本的な対策を取らない限り今後経営にとってはより厳しい状況となることは間違いありません。


働き方改革に対しては、まず勤務実態の正確な把握に基づく超過勤務の低減、年次休暇の消化率向上が必要です。働き方改革における同一労働同一賃金が適用されれば、正社員と比べて低賃金で済むパート社員によって生産性を維持することはできなくなります。同一労働同一賃金は、一律に適用されるわけではなく条件により適用が除外される場合もありますが、パートタイマーの時給を正社員以上の比率で上げていかなければならないことは間違いありません。また、社会保険などの企業負担も法制改正により高まることは必至です。


雇用環境に対しては、テクノロジーの積極的採用に依る省力化を進めると共に、シニアあるいは外国人雇用の拡大を図る環境整備が求められます。

環境

テクノロジー ICT / AI / ロボット

テクノロジーについては、ICTAI及びロボットを挙げています。


近年のICT(Information and Communication Technology)の進化は劇的です。スーパーマーケットの現場においても、ICTの恩恵によって、あらゆる業務のディジタル化が実現できるようになってきました。それらは、買物客とのOne to Oneコミュニケーションを容易にしたスマートフォン、買物客を識別する生体認証、買物客の買物行動を捕捉するカメラ、顧客の買物行動に反応するダイナミックディジタルサイネージ、売価変更を瞬時に正確に実現する電子棚札など枚挙に暇がありません。あらゆる企業活動において、IT の恩恵を享受することによって生産性の向上を図っていくことが必要です。そして、新技術などに乗り遅れることへの過度の恐怖(FOMO:Fear of missing out) を持つ必要はありませんが、直ちに導入することが必ずしも得策とは言えないテクノロジーに対しても、その適用に関し継続的に検討する体制を整備することが肝要です。


AIを活用し、生産性向上やDXに繋げることが、すべての企業の共通課題となっています。スーパーマーケットにおいても、中核業務プロセスの改善と新たなアイデアの創出に向けた積極的な活用が必須です。既に、スーパーマーケットにおける最重要業務とも言える商品自動補充発注は珍しいものではなくなっています。AIにとって次のブレークスルーはAIエージェントです。AIエージェントは、AIモデルが頭脳となり手足を組み合わせた統合システムです。手足となるのは、電子メール、電話、チャットボット、検索エンジン、カレンダーなどばかりではなく受発注システムなど専用アプリケーションにも及びます。AIエージェントが活用されるようになれば、スーパーマーケットにおける業務の在り方は大きく変わっていくものと思われます。具体的には、閉店前の生鮮食品・総菜などの値引、接客カウンターの無人化、属人的店舗運営ノウハウのナレッジマネジメントなどが想起されます。


AIエージェントが人の知的労働に関わるものであるのに対し、ロボットは人の身体労働に関わるものです。人型ロボットは、現時点においてはAI程には進化していません。既に実現できているものとしては、店内清掃、商品陳列棚案内、宅配への全自動対応などが挙げられます。また、ロボットによる作業者に対する支援として、店頭への品出し、駐車場に置かれたカートの回収、視聴覚障害者などのアテンドなどが挙げられます。

課題

マネジメント CSV経営 / パーパス / エンゲージメント

マネジメントについては、CSV経営パーパス及びエンゲージメントを挙げています。


CSV(Creating Shared Value)は、日本語では共有価値の創造と訳されています。CSV経営が注目される背景には、SDGsの普及があります。SDGsの制定によって、企業にも環境、社会、経済の問題を解決するための活動が求められるようになりました。CSVは、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)と比較されることがありますが、CSRが結果として求められる社会的責任であることに対して、CSVはそれ自体が経営の目的である点で大きく異なります。CSV経営では、事業を通じて社会問題を解決する社会価値と、事業を行う企業の利益を創出する企業価値のどちらも高められる状況を目指すことが大切だとされています。これからの時代において、評価される企業である為には、CSRを更に進めたCSVが求められます。


パーパスとは、企業の存在意義を指します。自社の社会的な存在意義、即ち何のために存在するのかを明文化し、定めた存在意義に従って経営することです。 そして、多様な価値観を持つ企業の従業員に対して、 企業は何のために存在するのか、企業で働く従業員は何のために働いているのかを明確にすることです。パーパスは、企業にとっての行動指針そのものであり、パーパスが社内に浸透していれば、従業員全員が同じベクトルで仕事を進めていくことができ、意思決定の質や速度も上がっていくでしょう。近年パーパス経営は企業評価の指標となっており、ステークホルダーからの共感や支持を得ることができます。社会貢献を目的とするCSV経営を踏まえ、パーパス経営では”企業がどのような社会貢献の役割を担うか”を明示する必要があります。


エンゲージメントは、企業で働く従業員と企業との繋がりを表す概念です。従業員満足度と並べて論じられることがありますが、個々の従業員が企業から与えられて”満足している”状態と、”自発的且つ主体的に仕事に取り組む”状態は大きく異なります。従業員エンゲージメントは、従業員満足度とは異なり、従業員が企業に貢献する意欲や仕事に対するコミットメントにも影響を与えるため、仕事上の成果に大きな影響をもたらします。従業員が企業を選ぶ理由は、収入、業務内容、役職などだけではなく、経営への共感、人間関係、キャリアプランなど多岐に渡っています。エンゲージメントを意識することにより、始めてやりがいや生きがいといった目に見えない要素をも含めた対応が可能になります。

課題

マーチャンダイジング

情緒的価値 / ダイナミック・プライシング / ライブ・コマース

マーチャンダイジングについては、情緒的価値ダイナミック・プライシング及びライブ・コマースを挙げています。


品揃えにおいては、他業態のラインロビングに対する差別化として、生鮮食品の充実強化が必須です。また、総菜については、家庭料理の代替としてではなく、食の安全・安心と言う見地からの衛生管理の下に、プロフェッショナルな調理人を擁し、“家庭では簡単にはできないもの”を提供していかなくてはなりません。グロサリー、日配のみならず生鮮食品においても、リスクを負った生産者との直接買取契約、更にはアパレルにおける製造小売業と同様なPB商品開発を目指していく必要があると思われます。また、昨今注目されている野菜栽培の自社工業化、あるいは魚類の陸上養殖も検討されるべき課題ではないでしょうか。そして、これらの機能的価値の充足を前提として、何より情緒的価値の提供が求められます。例えば、野菜や果物の色彩によって演出する美観、オープンキッチンによって演出するライブ感、イートインスペースによって屋台村を演出するわくわく感などです。


価格政策においては、 価格重視か品質重視かのいずれにおいても価格に相応しい消費者価値が厳しく問われています。惣菜の閉店時刻に向けた値引設定だけではなく、惣菜に留まらない常時適正価格を維持しうるダイナミック・プライシングが求められます。その為には、販売実績に加えて、従来人手によって加味されていた情報の取込みによる AI を駆使した適切な価格設定が前提となります。資材高騰により、値上の選択をせざるを得ない場合にも、顧客の離反を招くステルス値上げは厳に慎まなければなりません。


店頭で購買商品を決定する非計画購買は8割と言われています。インストア・プロモーションについては、非価格主導型として、POP、クロス・マーチャンダイジング、デモ販売を取り上げますPOP については、従来の紙媒体を双方向デジタルサイネージに置き換えることによって、時間帯のみならず通過顧客の反応によってコンテンツを自在に変えることができます。クロス・マーチャンダイジングについては、ID-POSデータの AI による併買商品分析に基づく展開が求められます。デモ販売については、店舗に要員を配置することなく、遠隔地に居る従業員が無人の売場の買物客に対してリアルタイム双方向コミュニケーションによる販売を行うことができるライブ・コマースによる代替ができます。

課題

マーケティング ペルソナ / One to One / 顧客体験

マーケティングについては、ペルソナOne to One 及び 顧客体験を挙げています。


スーパーマーケットにおいても、小売業一般と同様に、消費者の多様化と競争の激化を背景として、どのような顧客に対応して行くのかという戦略が求められています。スーパーマーケットの取扱商品が食品を始めほぼ最寄り品であることから、これまでは必ずしも明確に顧客像が設定されなかった、あるいは共有されなかったのではないでしょうか。ペルソナは、商品やサービスを利用する典型的な顧客像を意味します。ターゲットも、ペルソナと同じく、商品やサービスのユーザーモデルを指す言葉ですが、両者の違いは、モデルの設定の詳細度にあります。ターゲットに対するペルソナの優位性は、担当者間で共通した人物像を形成することができる点にあります。ペルソナを設定する場合、スーパーマーケットにおいては取扱商品に対する嗜好性が必ずしも高くないことから、複数設定することが適当です。
 

スーパーマーケットにおいては、これまで折込みチラシ、テレビCMなどに代表されるマス・マーケティングが主流でしたが、スマホの劇的な普及を背景として、One to One マーケティングの実施が容易になってきました。One to One マーケティングの前提は顧客の ID 化です。顧客の ID 化は小売企業にとってのマーケティングの手段ですが、顧客にとってのメリットが訴えられなければ進展しません。ポイント(FSP)などのインセンティブ、キャッシュレスなど決済手段としての利便性、顧客のベネフィットを追求する情報提供をスマホアプリによって実現することが求められます。


顧客体験 (カスタマーエクスペリエンス)とは、顧客が商品・サービスに興味を持ち、その商品・サービスを利用するまでの一連の体験です。顧客体験は、顧客接点の集合体です。顧客接点は、実店舗に加え、ECサイト、スマホアプリ、メール、SNS、Web広告など以前よりもはるかに多岐に渡っており、関心、購入、利用といった行動を促す企業との接点です。このような顧客接点の増加は、消費者にとってもスーパーマーケットにとっても多くのメリットがあります。このような状況のなかで、より効果的なマーケティング戦略を考えていくためには、顧客体験というものを改めて考え直すことが必要です。

課題

ローコストオペレーション LSP / RPA / DX

ローコストオペレーションについては、LSPRPA及びDXを挙げています。


スーパーマーケットの営業利益率は、スーパーマーケット白書2025年版によれば平均1.38%と極めて低く、生産性の低さが特徴とさえ言えます。低生産性からの脱却の為には、ローコストオペレーションの推進は欠かせません。


LSP(Labor Scheduling Program) は、本来あるべき、” 業務に要員を割り当てる” という考え方の実現によって、業務と要員の整合を目的とするものです。就業管理システムと連動させて、予定と実績の突合によってPDCA サイクルを回し、業務と要員双方の適正化を求め、労働分配率の低減と働き方改革を同時に追求することができます。また、勤務シフト編成の自動化によって、作成業務自体の大幅な省力化が実現できます。

 

RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットが人間の行う定型的なパソコン操作を自動化する技術です。データ入力や転記、ファイル操作など、繰り返し発生する事務作業を効率化し、人手不足の解消やコスト削減に貢献します。情報システムとの比較においては、まず情報システムの構築において不可避である既存業務の見直し、即ちBPR(Business Process Re-engineering)をしなくて良いという点が挙げられます。何故ならば、RPAに覚えこませる作業手順は、いつでも簡単に追加変更することができるからです。また、RPAは、情報システム開発と異なり短期間に導入することができます。情報システムの構築には、BPRに加えてシステム開発というフェーズを要しますが、RPAはプログラミングの知識がなくても導入さえすれば直ちに利用することができます。一方、昨今飛躍的に高度化が進められてきたノーコード開発ツールを採用することによって、RPAでは対応しきれないシステムの構築が、情報システム開発に頼らなくても可能になってきています。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、ディジタル化によって、商品・サービスやビジネス・モデルを変革するとともに、業務そのもの、組織、企業文化・風土を変革すること、文字通り変身することです。単なるIT化との違いは、ディジタル化によって既存の業務プロセスを見直し、テクノロジーの恩恵を受けて、仕事の仕方を変える点にあります。仕事の目的の達成度と生産性の改善は、真のDXによってもたらされます。

課題

サステナビリティ 食品ロス / トレーサビリティ / EMS

サステナビリティについては、食品ロストレーサビリティ及び EMSを挙げています。


サステナビリティは直訳すると持続可能性であり、ESG(環境・社会・経済)の観点から、今後長期間に渡って、地球環境を壊すことなく、資源を使い過ぎず、良好な経済活動を維持し続けることを意味する言葉です。一方、SDGs(Sustainable Development Goals)は、持続可能な開発目標の略称です。サステナビリティは、小売商店の規模においては別論ですが、流通企業として成長していく限り、今や避けて通れないテーマです。特に、環境問題に対する取り組みは、それ自体だけではなく、それらに対して積極的な姿勢を顧客のみならず採用予定者などを含む社会に対して表明することが重要です。

 

食品ロスは、近年社会問題として大きく取り上げられています。スーパーマーケットにおいても、引き続き商品廃棄の最少化に取り組んでいく必要があります。需要予測に基づく適確な補充発注、時間帯別の販売動向に応じた生鮮品の加工、総菜の準備、閉店に向けた迅速な値引判断を実現する仕組みの構築がその前提となります。一方、賞味期限の三分の一ルールの見直しなど食品ロスをもたらす慣行の是正に協賛することも求められています。

 

スーパーマーケットにとって、トレーサビリティは食品の安全性と信頼性を確保する基盤になります。生産・加工・流通の各段階を遡って確認できることで、万一の事故発生時に原因特定と迅速な回収が可能となり、被害拡大を防ぐことができます。また、産地偽装や品質不正への抑止力となり、消費者に対して透明性の高い情報提供ができる点も挙げられます。結果として、消費者に対して安心感を与えると同時に、フェアトレード志向、環境負荷の低減、サステナビリティの観点から企業の信頼性の確保に寄与します。

 

店舗に要する消費電力の削減は、社会的要請でもあります。店舗内の主要な電力消費設備は、冷凍冷蔵ケース、店内空調及び店内照明です。これらを一元的に管理し、自動制御するEMS(Energy Management System)を導入することによって 消費電力量を低減させることができます。また、企業として脱炭素社会への取り組みが要請されています。最近では、廃棄食用油や生ゴミなどを燃料にした再生可能エネルギーの調達が実用化段階にあり、電力の自給だけでなく脱炭素をも実現することができ、一石二鳥の効果が期待されています。このように、電力需給の逼迫の対応と脱炭素社会の実現として、省エネは勿論のこと、自ら消費する電力の小売企業自らの創出が求められています。

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